松山市 万徳寺の報恩講

 夏目漱石の坊ちゃん、道後温泉で有名な愛媛県松山市、万徳寺は
松山城の近くの市内の中心地、三番町にありました。
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 万徳寺は昭和49年入学、越智八重子さんが坊守として、お念仏の
慶びを広めるお寺です。越智八重子さんが真宗ネットワーク大会に
来られた時、「万徳寺の自慢は報恩講前日のお寺の掃除と、お餅づ
りなんです。本当にご門徒の方々、仏教婦人会の方々が一生懸命
掃除やおけそくづくりをやってくれます」ときっぱりと発言されました。

 そのきっぱりとした発言が印象的で、ぜひ報恩講前日の準備を取材
したいと思い、平成27年1月21日(水)に万徳寺を訪ねました。


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 午前9時過ぎに万徳寺に着くとすでに本堂の掃除がはじまっていまし
た。住職さんを中心に、内陣のたくさんの磨きものの一つ一つ、外陣の
床、喚鐘、窓の桟に至るまで、きれいにされていました。

 お寺の掃除というと、どうしても義理掃除というイメージがあるのです
が、皆さんそんな感じは全然なく、楽しそうに一生懸命まるで自分の家
のように大切に丁寧に掃除をされていました。

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 会館の台所、大広間は「おけそく」のお餅づくりで賑わっていました。
蒸したもち米を突き上げ、平たく均等にのばし、かたぬきをし、デーブル
の上に並べて乾かしていきます。見ていると皆さん得意・不得意も把握
されているのか、自分の役割が決まっていて、持ち場持ち場をテキパ
とスムーズに作業されていきます。

 お勤めだけではなく、みんなでお寺で何かをつくるということは、本当
に大切なことだと思います。それが報恩講ならなおさら大切だと思いま
した。万徳寺に来て、1時間もたたないのに「万徳寺の自慢は、報恩講
前日の掃除とお餅づくりです」と発言された越智八重子さんの意味が実
感として良くわかりました。本当に皆さん「おけそく」のお餅づくりは楽し
そうでした。皆さん力を合わせて午前中に約3000個もの「おけそく」のお
餅がきれいに並びました。

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 さらに、あん餅もつくられました。皆さん手慣れた様子で、お餅にあん
をくるみ、次々に、おいしそうなあん餅が出来上がっていきます。テー
ブル囲み楽しい笑顔が隣から隣へと連鎖していきました。


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 お昼は皆さんと一緒にお弁当を頂きました。楽しい会話がテーブル
からテーブルへと飛び交います。知らず知らずの間に会話の内容を
聞いていると学ぶべきことがたくさんありました。
 「私のモットーは明るく元気なこと」
 「人を大切にすることが、自分を大切にすることにつながるし」
 「年寄りは伝えていかなあかん、伝えるのが仕事や」
 「お寺来ると、なんか若返るわ」などなど、
笑顔の中で、お互いを思いやる会話がはずんでいました・

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 午後からは今日のハイライト「おけそく」づくりがはじまりました。「おけ
そく」は4つのチームに分かれて4つつくられました。「おけそく」のつくり
方は、円筒の台に竹ひごでお餅を刺していき、周りにセットしていきま
す。そして、さらに、その刺した竹ひごのお餅とお餅の間に、お餅をはさ
んでいきます。

 「おけそく」は下から順に抜けているところがないか、声をかけ合い
ながら行われました。「はい、次いきます。はい、はさみます。はい、
はさみました」各チームから明るい声が聞こえます。

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 「おけそく」の完成が近ずくと、皆さんの表情に満足感と笑顔が少し
ずつ漂ってきます。早いチーム、遅いチーム、色々に他のチームの
出来栄えが気になります。
 「あこきれい、でも、うちもきれい」
 「もう完成したの、あせらないあせらない」
 「できたー、完成ー」拍手
1時間余りををかけて4つの「おけそく」が完成しました。

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 皆で一生懸命つくった「おけそく」が阿弥陀様と親鸞様の前にお荘厳
されていきます。仏教婦人会の皆さんはいつまでも満足げにお荘厳さ
れた「おけそく」を眺めていました。万徳寺の報恩講前日準備は寒い冬
の1月に、お寺を思い、報恩講を大切に思う、ご門徒のあたたかい心で
あふれていました。


1月22日(木) 報恩講1日目
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 晴れ渡る冬の空に万徳寺の仏旗がなびきます。午後1時、住職さん
の挨拶、喚鐘とともに、組内の法中さんで構成されている楽人さんの
奏楽が荘厳に万徳寺の本堂を彩ります。四国はお遍路もあって真言
宗の色濃い地です。その中で浄土真宗の存在は・・・と思っていたので
すが、万徳寺の報恩講の正信偈を聞いて、そんな気持ちはどこかに
飛んで行ってしまいました。
 万徳寺の報恩講の正信偈には大切に浄土真宗のお念仏の慶びが
相続されている伝統と歴史がありました。

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 報恩講の法話のご講師は、岡山県備後教区 正玄寺の山下瑞円 師
でした。高めの声が、はっきりとよく通る、爽やかなご講師さんでした。
山下瑞円 師はご本山の歴史から、乗り物を例に、阿弥陀様のご本願、
さらには救いについてお話されました。お参りのご門徒の方々も熱心に
山下瑞円 師のお話を聞いておられました。
 
 ご法話が終わり、お話をする機会があり、堂々と話されていたので、
「お若いのに話される緊張感とかプレッシャーはないのですか」と尋ね
ると「ありますよー、だからできるだけ勉強したいと思っています」という
答えが返ってきました。なるほどそうだと思いました。

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 報恩講が終わり、坊守さんが帰られるご門徒さん一人一人に声をか
られ、お話されていました。その姿からはご門徒一人一人を大切
されているという姿勢が伝わりました。
 万徳寺を取材して「万徳寺の自慢は報恩講前日の掃除とお餅づくり
です」の坊守さんの発言が良くわかりました。「自慢してください、自慢
以上のものがあります」と言いたい気持ちです。

 住職さん、坊守さん、ご門徒さん、本当にいろいろ
ありがとうございました。

                                真宗ネットワーク50
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